急性毒性
経口
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
経皮
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固體である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない
ベルベリン及びベルベリン化合物の情報は、塩化ベルベリン (CAS番號 633-65-8)、テトラヒドロベルベリン (CAS番號 522-97-4)、ベルベリンヒドロクロライド (CAS番號 633-65-8) が確認されたため、これらの情報を分類に使用した。すなわち、in vivoでは、塩化ベルベリン及びテトラヒドロベルベリンのマウス骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (NTP DB (Access on August 2017)、Iran J Basic Med Sci, vol. 20, No. 5, May 2017))、マウスの骨髄細胞、心臓細胞を用いたDNA損傷試験で陽性 (Iran J Basic Med Sci, vol. 20, No. 5, May 2017)、in vitroでは、塩化ベルベリン、ベルベリンヒドロクロライド、テトラヒドロベルベリンを用いた細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結(jié)果である (NTP DB (Access on August 2017)、Iran J Basic Med Sci, vol. 20, No. 5, May 2017))。しかし、in vivo、in vitroでの陽性結(jié)果は再現(xiàn)性が認められなかった。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
発がん性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。なお、ベルベリンにはin vitro及びin vivoで抗腫瘍作用がみられたとのいくつかの報告がある (Kamrani Rad, S.Z, et al. IJBMS, 20, 516-529 (2017))。また、ベルベリンや他のアルカロイドを含む植物のゴ-ルデンシールの根の粉末はラット及びマウスで肝臓に対し発がん性を示し、IARCはグループ2Bに分類している (IARC 108 (2016))。
生殖毒性
(NTP Abstract for TER98008, TER20102 (Access on September 2017)、Jahnke G.S. et al.: Birth Defects Res., 77, 195-206 (2006))。
一方、マウスの試験では混餌投與した場合、母動物には841 mg/kg/day以上で飲水量増加がみられ、胎児には統(tǒng)計的有意差はないものの、口蓋裂を示した例數(shù)の増加がみられた。妊娠マウスに強制経口投與した場合には、母動物には1,000 mg/kg/dayで誤投與による死亡4/25例以外に7/25例の死亡又は切迫屠殺例がみられたが、生存例には飲水量の増加以外に影響は認められなかった。胎児には體重の低値がみられただけで、口蓋裂はみられなかった (NTP Abstract for TER20103, TER99002 (Access on September 2017)、Jahnke G.S. et al.: Birth Defects Res., 77, 195-206 (2006))。この他、排卵させた雌マウスを雄と交配前後に本物質(zhì)100 μgで2~14日間筋注した結(jié)果、受精卵に占める杯盤胞の割合及び妊娠18.5日における生存胎児數(shù)の減少がみられ、ベルベリンが胚の発生を阻害する可能性が示された (Tsunoda, Y. and Kato, Y.: J. Mamm. Ova. Res., 28, 40-46 (2011))。
以上、ヒトの知見は本物質(zhì)を含む漢方薬の副作用として懸念されているが、本物質(zhì)との因果関係は必ずしも明確ではなく、ヒトでの生殖影響の証拠としては弱い。また、動物試験でも多くは陰性の結(jié)果であることから、本項は區(qū)分2が妥當と判斷した。
GHS分類: 區(qū)分2
ベルベリンを含有する漢方薬を胎児期に胎盤を介してばく露された場合、又は新生児期に母乳を介して、或いは直接摂取した場合、新生児に黃疸、核黃疸、及び黃疸による脳の損傷を発生する頻度が中國やシンガポールでは高いと報告されてきた (Chan E.: Biol. Neonates, 63, 201-208 (1993))。実験的にはin vitro及びラットを用いたin vivo実験結(jié)果から、ベルベリンが血清中結(jié)合タンパクからビリルビンを遊離させ、血中ビリルビン濃度が上昇することが確認されており (Chan E.: Biol. Neonates, 63, 201-208 (1993)、Bateman, J. et al.: Scot. Med. J., 43, 7-15 (1998))、新生児黃疸は漢方薬中の一成分である本物質(zhì)による影響が疑われている。そのため、ベルベリンを多く含有するハーブや漢方薬を妊婦が使用するのは避けるのが望ましいとされている (Jahnke G.S. et al.: Birth Defects Res., 77, 195-206 (2006)、Chan E.: Biol. Neonates, 63, 201-208 (1993))。なお、ベルベリン製剤の副作用に関しては、下痢癥を効能とするベルベリン硫酸塩水和物の注射剤の添付文書には妊娠中の投與に関する安全性は確立していないため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投與しないことが望ましいと記載されている (醫(yī)療用醫(yī)薬品集2017 (2016))。
実験動物では塩化ベルベリンニ水和物 (CAS番號 5956-60-5) を妊娠ラット又は妊娠マウスに混餌投與 (ラットで最大1,313 mg/kg/day、マウスで最大1,155 mg/kg/day)、又は強制経口投與 (ラット、マウスとも1,000 mg/kg/day) した発生毒性試験において、ラットの混餌及び強制経口投與試験では、母動物毒性がみられた1,000~1,313 mg/kg/day で胎児には発生影響はないか、又は軽微な影響 (體重低値) のみであった