急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLD50値として、194 mg/kg及び200 mg/kgとの報告 (BUA 252 (2004)) より、區(qū)分3とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分2 ラットのLD50値として、84 mg/kg との報告 (BUA 252 (2004)) があり、區(qū)分2に該當する。ウサギのLD50値として、207 mg/kgとの報告 (BUA 252 (2004)) があり、區(qū)分3に該當する。有害性の高い區(qū)分を採用し、區(qū)分2とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類できない ラットの8時間吸入ばく露試験において、約1.78 mg/L (274 ppm) (4時間換算値: 2.52 mg/L (387 ppm)) で死亡例なしとの報告 (BUA 252 (2004)) があるが、このデータのみでは區(qū)分を特定できないため分類できないとした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (2.17 mg/L (335 ppm)) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、本物質は経皮毒性が強く、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で原液の適用により動物が死亡した。原液1 mLを適用15分後に水洗したところ、14日間の観察で刺激性を認めなかったとの報告 (BUA 252 (2004)) があるが、実験條件が不十分なため採用しなかった。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405 準拠) において、角膜や虹彩に影響がなく、結膜で適用1時間後にスコア2の発赤とスコア1の浮腫を認めたが2日後には軽減し、刺激性スコア(MMAS) は4.7であった(ECETOC TR48 (1998))。同様にウサギの眼刺激性試験で、適用後、1、7、24、48、72時間後の刺激性スコアはそれぞれ5、2、14、10、11で軽度の刺激性がみられたとの記述 (BUA 252 (2004)) がある。一方、眼刺激性はなかったとの記述 (BUA 252 (2004)) もあり、分類できないとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない 皮膚の遅延型過敏癥反応を検討するため、本物質をボランティア96人に適用し、誘導後に皮膚反応が消失した30人に惹起処置を行った結果、27人(90%)に陽性反応が認められたと報告されている (BUA 252 (2004)) が、対照群の結果等の詳細が不明であり、この結果から本物質が陽性であると結論づけられないため分類できないとした。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
発がん性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 區(qū)分2 (神経系、血液系) 本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物では、ラットの単回経口投與試験において、80 mg/kgで血中メトヘモグロビン濃度が最大6%まで上昇し、48時間後には2%未満に低下したとの報告がある (BUA 252 (2004))。また、別の2件のラットの単回経口投與試験で、よろめき歩行、うずくまり姿勢、腹臥位又は橫臥位、痙攣、振戦、流涙が認められたとの報告がある。これらの影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LD50値である197 mg/kg及び200 mg/kg付近の區(qū)分1範囲と考えられる (BUA 252 (2004))。さらに、ネコへの100 mg/kgの単回経口投與で、血中メトヘモグロビン濃度が8.5~11%に上昇し、ハインツ小體形成と舌の青色の変色が認められ、筋肉痙攣と攣縮、流涎、あえぎを示して2時間以內に死亡したとの報告がある (BUA 252 (2004))。経皮経路では、ウサギの単回経皮ばく露試験で160 mg/kg以上で平衡感覚異常、筋肉痙攣、攣縮、200 mg/kg以上でチアノーゼ、呼吸速度上昇、黃色尿が認められたとの報告がある (BUA 252 (2004))。また、ラットの単回経皮ばく露試験で、うずくまり姿勢又は腹臥位、振戦、痙攣を示して2時間~2日後に死亡したとの報告があり、影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LD50値である84 mg/kg付近の區(qū)分1範囲と考えられる (BUA 252 (2004))。 以上の情報を総合すると本物質は神経系と血液系を標的臓器とすると考えられる。実験動物での影響は全て區(qū)分1範囲の用量でみられている。ガイダンス値から判斷すると區(qū)分1相當であるが、List 2の情報源であるBUAのデータであって、判斷基準1b3) (OECDTG試験かつGLP適合試験) を満たさないため、ガイダンスに従って區(qū)分2 (神経系、血液系) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。