急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(6) より、區(qū)分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 607 mg/kg (MOE初期評価第5巻:暫定的有害性評価シート (2006)、GESTIS (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 雌: 794 mg/kg (ACGIH (7th, 2019))
(3) ラットのLD50: 雌: 795 mg/kg (ATSDR (1995)、HSDB (Access on April 2020))
(4) ラットのLD50: 雌: 820 mg/kg (ATSDR (1995))
(5) ラットのLD50: 雄: 1,010 mg/kg (ATSDR (1995)、HSDB (Access on April 2020))
(6) ラットのLD50: 雄: 1,320 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)、ATSDR (1995))
経皮
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固體であり、區(qū)分に該當しないとした。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)~(3) より、區(qū)分2とした。
【根拠データ】
(1) ヒトにおいて本物質のばく露は皮膚刺激性を示す可能性がある (ACGIH (7th, 2019)、IARC 65 (1996))。
(2) 本物質のばく露は皮膚や眼の刺激性を示すことが知られている (Patty (6th, 2012)、HSDB (Access on April 2020))。
(3) 本物質 (500 mg) をウサギに24時間適用した皮膚刺激性試験において中等度の刺激性を示す (GESTIS (Access on April 2020))。
【參考データ等】
(4) 本物質の50%ペーストを適用したウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404相當) において刺激性を示さないと報告されている (REACH登録情報 (Access on May 2020))。
(6) トリニトロトルエンによる皮膚障害、溶血性貧血、再生不良性貧血等の造血器障害又は肝障害は、労働基準法施行規(guī)則別表第一の二第四號1の厚生労働大臣が指定する?yún)g體たる化學物質及び化合物 (合金を含む) 並びに厚生労働大臣が定める疾病として定められている (労働省告示第三十三號)。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1) より、區(qū)分2とした。
【根拠データ】
(1) 本物質のばく露は皮膚や眼の刺激性を示すことが知られている (Patty (6th, 2012)、HSDB (Access on April 2020))。
【參考データ等】
(2) 本物質の50%ペーストを適用したウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405相當) において刺激性を示さないと報告されている (REACH登録情報 (Access on May 2020))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) ~(4) より、區(qū)分1とした。
【根拠データ】
(1) ヒトにおいて本物質へのばく露による皮膚炎の報告がある (ACGIH (7th, 2019)、MAK (DFG) (2014))。
(2) ヒトにおいて本物質への長期間のばく露によるアレルギー性皮膚反応を生じる (ATSDR (1995))。
(3) 本物質は皮膚感作性を有する (GESTIS (Access on April 2020))。
(4) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406相當、マキシマイゼーション法) において中等度の感作性 (陽性率 40%) と報告されている (REACH登録情報 (Access on May 2020))。
【參考データ等】
(5) トリニトロトルエンによる皮膚障害、溶血性貧血、再生不良性貧血等の造血器障害又は肝障害は、労働基準法施行規(guī)則別表第一の二第四號1の厚生労働大臣が指定する?yún)g體たる化學物質及び化合物 (合金を含む。) 並びに厚生労働大臣が定める疾病として定められている (労働省告示第三十三號)。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分に該當しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験、ラット骨髄細胞の染色體異常試験、ラット肝細胞の不定期DNA合成試験で、陰性の報告がある (IARC 65 (1996)、ATSDR (1995)、IRIS (1989))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性 (IARC 65 (1996)、ATSDR (1995)、IRIS (1989)、ACGIH (7th, 2019)、MAK (DFG) vol.1 (1991))、ほ乳類培養(yǎng)細胞の遺伝子突然変異試験で陽性の報告がある ((IARC 65 (1996)、ACGIH (7th, 2019))。
発がん性
【分類根拠】
(1) の既存分類結果について、(4)のとおり、IARCはMAK (DFG) とEPA (IRIS) のラット/マウスの発がん性試験報告を評価に含めておらず、過小評価したと考えられる。(1)~(3) より、MAK (DFG) でCategory 2に分類されていること及びラットで膀胱がん (自然発生が稀な腫瘍) の明らかな発生増加がみられていることに基づき、區(qū)分1Bとした。分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 國內外の分類機関による既存分類では、IARCで3 (IARC 65 (1996))、IRISでC (possible human carcinogen) (IRIS (1989))、MAK (DFG) でCategory 2 (MAK (DFG) (2014)、分類年2007年) に分類されている。
(2) ラットに本物質を2年間混餌投與した発がん性試験において、雌で膀胱の移行上皮乳頭腫及びがんの発生率の有意な増加が認められた (IRIS (1989)、MAK (DFG) (2014))。
(3) マウスに本物質を2年間混餌投與した発がん性試験において、雌で脾臓の白血病/悪性リンパ腫が用量に対応して増加し、最高用量で有意な増加が示された(MAK (DFG) (2014))。ただし、 IRISは全てのタイプの悪性リンパ腫及びリンパ性白血病を全臓器について集計した場合、腫瘍の発生率は有意に増加せず、有意な傾向もみられなかったことから、投與に関連しているとは考えられなかったとしている (IRIS (1989))。
(4) 既存分類のMAK (DFG) のCategory 2の根拠は、ラット、マウスの2種ともに発がん性がみられ、変異原性 (細菌、哺乳類培養(yǎng)細胞) があることである (MAK (DFG) (2014))。EPA (IRIS) のCの根拠は、雌ラットで膀胱の乳頭腫とがんがみられ、変異原性(細菌の復帰突然変異試験)があることである (IRIS (1989))。一方、IARCの発がん性評価ではMAK (DFG) とEPA (IRIS) が評価に用いたラット/マウスの発がん性試験報告を評価データに含めていない (IARC 65 (1996))。
生殖毒性
【分類根拠】
生殖毒性についての情報はない。(1)~(3)より、精巣に対する影響が認められているが、雄性生殖器毒性に関連すると考えられる生殖能に対する影響の情報がないことから、データ不足のため分類できないとした。なお、雄性生殖器毒性のみでは分類根拠としなかったことから、舊分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投與による13週間反復投與毒性試験において、精細管上皮の変性、精巣の萎縮等が報告されている (IARC 65 (1996)、MOE初期評価第5巻:暫定的有害性評価シート (2006)、産衛(wèi)學會許容濃度の提案理由書 (1993)、ATSDR (1995))。
(2) ラットを用いた混餌投與による13週間反復投與毒性試験において、精巣萎縮、間細胞過形成等が報告されている (IARC 65 (1996)、MOE初期評価第5巻:暫定的有害性評価シート (2006)、ATSDR (1995))。
(3) ラットを用いた強制経口投與による6週間反復投與毒性試験において、血清中亜鉛の減少、精巣重量減少が報告されている (MOE初期評価第5巻:暫定的有害性評価シート (2006)、ATSDR (1995))。
【參考データ等】
(4) ラットでみられた精巣の影響について、ライディッヒ細胞過形成があることから精巣の変性のホルモン機構(肝臓の酵素誘導の結果として二次的)が著者によって示唆されたが、貧血に起因する酸素欠乏も二次的機構として考えられるとの記載がある (MAK (DFG) (2014))。
(5) 動物実験で観察された精巣の損傷は、おそらく無酸素影響によるとの記載がある (GESTIS (Access on April 2020))。
(6) 男性労働者の癥例対照研究の結果、精液量及び運動性精子數(shù)の減少並びに精子奇形の増加が報告されているが、交絡変數(shù) (喫煙と飲酒以外)は考慮されておらず、重要な変數(shù)として職場での熱や他の化學物質との同時ばく露が含まれるとの記載がある (ATSDR (1995))。