急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分4 ラットのLD50値として、215 mg/kg (DFGOT vol.4 (1992)、BUA 109 (1993))、848 mg/kg (環(huán)境省リスク評価第9巻 (2011))、1,240 mg/kg (DFGOT vol.4 (1992)、BUA 109 (1993)) の3件の報告がある。1件が區(qū)分3に、2件が區(qū)分4に該當することから、件數(shù)の最も多い區(qū)分4とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分外 ラットのLD50値として、> 4,000 mg/kg (DFGOT vol.4 (1992)) との報告に基づき、區(qū)分外とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLC50値 (4時間) として、> 5,000 mg/m3 (換算値: > 1,350 ppm) (環(huán)境省リスク評価第9巻 (2011))、1,240 ppm (DFGOT vol.4 (1992)、BUA 109 (1993)) の2件の報告がある。1件は區(qū)分4~區(qū)分外に、1件は區(qū)分3に該當する。有害性の高い區(qū)分を採用し、區(qū)分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (136,520 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分1 ウサギの皮膚に対して腐食性があり (DFGOT vol.4 (1992))、ヒトでも皮膚刺激性が報告されている (環(huán)境省リスク評価第9巻 (2011)) ことから、區(qū)分1とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 分類できない ウサギの眼に対して刺激性なしとの報告がある (DFGOT vol.4 (1992)) が、データが1件のみのため分類できないとした。なお、本物質の皮膚腐食性/刺激性の分類は區(qū)分1であり、陰性の情報がある場合でも最新のGHS改訂6版に基づくと區(qū)分1となる。よって、今後、ガイダンスが最新のGHS文書に従って改訂されると區(qū)分1となると考えられる。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 區(qū)分1 モルモットを用いた感作性試験で陽性であり (DFGOT vol.4 (1992))、ヒトでも皮膚感作性が報告されているため (環(huán)境省リスク評価第9巻 (2011))、區(qū)分1とした。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない ガイダンスの改訂により區(qū)分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性、マウス骨髄細胞の染色體異常試験では陰性、陽性の結果、マウス骨髄細胞の姉妹染色分體交換試験では陰性、陽性の結果である (DFGOT vol.4 (1992)、IARC 63 (1995)、NTP DB (Access on June 2016)) が、染色體異常試験及び姉妹染色分體交換試験の陽性結果は再現(xiàn)性が認められていない (NTP DB (Access on June 2016))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養(yǎng)細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、遺伝子突然変異試験で陰性、染色體異常試験及び姉妹染色分體交換試験で陽性である (DFGOT vol.4 (1992)、IARC 63 (1995)、NTP DB (Access on June 2016))。以上より、in vitroで認められている陽性結果はin vivo系では誘発されないものと判斷される。
発がん性
GHS分類: 區(qū)分2 実験動物ではラット、及びマウスに2年間強制経口投與した発がん性試験において、ラット、マウスともに前胃の扁平上皮の乳頭腫及び扁平上皮がんの発生頻度の増加が用量依存的に認められた (NTP TR300 (1986))。また、ラット、及びマウスに2年間吸入ばく露した試験では雄ラットに甲狀腺の濾胞狀腺腫の増加、雌雄マウスに前胃の扁平上皮乳頭腫、雌マウスにハーダー腺の腺腫の増加がそれぞれ認められた (厚労省委託がん原性試験 (Access on June 2016))。既存分類結果としては、IARCが以前の評価でグループ3 (IARC vol. 63 (1995)) から、最新評価ではグループ2Bに変更すると予告している (IARC 115 (in prep, Access on June 2016))。その他、NTPがRに (NTP RoC (13th, 2014))、日本産業(yè)衛(wèi)生學會が第2群Bに (産衛(wèi)學會勧告 (2015)) 分類している。以上より、本項は區(qū)分2とした。
生殖毒性
GHS分類: 區(qū)分2 雄ラットに14日間強制経口投與した結果、精細管內(nèi)に精子細胞、精母細胞、精原細胞の存在がみられ、胚上皮の脫落が示唆されたが、著者は一般毒性による二次的影響と考察したとの記述がある (DFGOT vol. 4 (1992))。しかし、ラットを用いた強制経口投與による反復投與毒性?生殖発生毒性併合試験では、親動物に総ビリルビン及び肝臓酵素への影響 (雌、詳細不明)、著床後胚損失の増加、前胃上皮の過形成がみられる 180 mg/kg/dayで、児動物に出生時生存數(shù)の減少が認められた (環(huán)境省リスク評価第9巻 (2011))。すなわち、親動物の一般毒性用量で胚死亡の増加と出生時生存児數(shù)の減少がみられたことから、區(qū)分2とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 區(qū)分3 (気道刺激性、麻酔作用) ヒトでは本物質の高濃度の蒸気へのばく露直後に、上気道粘膜が刺激され、息切れ、呼吸困難、咳、痛み、流涙、頭痛が起こり、急速に昏睡に陥る可能性がある、また低濃度の蒸気の吸引により中樞神経系の抑制と中程度の気道刺激が生じるとの記載がある (HSDB (Access on June 2016))。さらに投與量の詳細な記載はないが、ラットを用いた単回経口ばく露試験において、よろめき、運動失調(diào)、腹臥位、體溫低下、震え、呼吸困難が認められたとの記載がある (BUA 109 (1993))。以上より區(qū)分3 (気道刺激性、麻酔作用)とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (呼吸器)、區(qū)分2 (血液系、腎臓) ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた104週間吸入ばく露試験において、區(qū)分1相當の50 ppm (0.19 mg/L) 以上で呼吸上皮のエオジン好性変化増加、區(qū)分2相當の100 ppm (0.37 mg/L) 以上で嗅上皮のエオジン好性変化、エオジン好性滲出物、嗅上皮の萎縮、嗅上皮の呼吸上皮化生、200 ppm (0.74 mg/L) でさらに前胃の過形成、マウスを用いた13週間吸入毒性試験において、區(qū)分2相當の125 ppm (0.33 mg/L) 以上で胃 (前胃粘膜上皮過形成)、250 ppm (0.67 mg/L) で血液系 (赤血球數(shù)の減少等) への影響が報告されている (厚労省委託がん原性試験、Access on June 2016)。 なお、同一試験機関が実施したマウスを用いた2週間吸入毒性試験 (5日/週、10回ばく露) においても區(qū)分1相當の 270 ppm (ガイダンス値換算:0.11 mg/L) 以上でALT増加、鼻腔の嗅粘膜上皮の萎縮?剝離、區(qū)分2相當の810 ppm (0.33 mg/L) 以上で死亡、赤血球數(shù)?ヘモグロビン濃度?ヘマトクリット値の減少、肝臓の小葉中心性核増大、腎臓の好塩基性変化、副腎の壊死 (厚労省委託がん原性試験、Access on June 2016) がみられたが、試験期間が短いこと、13週間試験や104週間試験において認められなかった影響があることから、この2週間の試験結果については分類対象としなかった。
経口経路では、ラット、マウスを用いた強制経口投與による103週間反復投與毒性試験において、ラットでは區(qū)分2相當の 75 mg/kg/day、マウスにおいても區(qū)分2相當である 100 mg/kg/dayで前胃の上皮の過形成、鼻腔の炎癥、腎癥がみられている (環(huán)境省リスク評価第9巻 (2011)、NTP TR300 (1986))。 以上の所見のうち、吸入及び経口経路でみられた前胃の所見については刺激性によるものとして標的臓器としなかった。したがって、區(qū)分1 (呼吸器)、區(qū)分2 (血液系、腎臓) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on June 2016) に収載された數(shù)値データ (粘性率: 0.42 mPa?s、密度 (比重): 0.917 (20℃)) より、動粘性率は0.46 mm2/sec (20℃) と算出される。