急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(6)より、1件が區(qū)分3、5件が區(qū)分4に該當する。件數(shù)の多い區(qū)分を採用し、區(qū)分4とした 。
【根拠データ】
(1)ラットのLD50値:90-315 mg/kg bw(EHC 63(1986)、JMPR(1981)、産衛(wèi)學會勧告(1989))
(2)ラットのLD50値:405 mg/kg(雄)(EPA Pesticide(2001)、食品安全委員會(2013))
(3)ラットのLD50値:586 mg/kg(雌)(EPA Pesticide(2001))
(4)ラットのLD50値:566 mg/kg(雌)(食品安全委員會(2013))
(5)ラットのLD50値:320 mg/kg(雄)(食品安全委員會(2013))
(6)ラットのLD50値:509 mg/kg(雌)(食品安全委員會(2013))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2)より、ラットのLD50値から、1件が區(qū)分4、1件が區(qū)分外(國連分類基準區(qū)分5)~區(qū)分外に該當する。また、(3)よりウサギのLD50値から區(qū)分3に該當する。よって、有害性の高い區(qū)分を採用し、區(qū)分3とした。新しい情報源の使用により、區(qū)分が変更された。
【根拠データ】
(1)ラットのLD50:2,000 mg/kg(食品安全委員會(2013))
(2)ラットのLD50:≧2,000 mg/kg(食品安全委員會(2013))
(3)ウサギのLD50値:963 mg/kg(EPA Pesticide(2001)、ACGIH(7th, 2006))
吸入:ガス
【分類根拠】
GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1)~(4)より、區(qū)分2が1件、區(qū)分3が2件、區(qū)分4が1件該當する。よって件數(shù)が多い區(qū)分を採用し 、區(qū)分3とした。新しい情報源の使用により、區(qū)分が変更された。なお、吸入試験方法が蒸気またはミストのいずれかが不明な結果があるが、飽和蒸気圧濃度は 0.04 ppm(0.456 mg/L)であり、飽和蒸気圧を超えた濃度で吸入実験が実施されていることから、ミストの吸入試験として取り扱った。
【根拠データ】
(1)ラットのLC50(4時間):0.507 mg/L(雄)(食品安全委員會(2013)、ACGIH(7th, 2006)、EPA Pesticide(2001))
(2)ラットのLC50(4時間):0.454 mg/L(雌)(食品安全委員會(2013)、ACGIH(7th, 2006)、EPA Pesticide(2001))
(3)ラットのLC50(4時間):約1.2 mg/L(雄)(食品安全委員會(2013)、ACGIH(7th, 2006)、産衛(wèi)學會勧告(1989))
(4)ラットのLC50(4時間):約0.8 mg/L(雌)(食品安全委員會(2013)、ACGIH(7th, 2006)、産衛(wèi)學會勧告(1989))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
國連分類基準の區(qū)分3を示唆する情報(2)も得らているが、農薬審査に用いられたデータ(1)の証拠の重みづけを踏まえて、區(qū)分外とした。
【根拠データ】
(1)ウサギを用いた刺激性試験で皮膚一次刺激指數(shù)(PII)=0が報告されており(EPA Pesticide(2001))、本物質は皮膚刺激性物質とはみなされないとの記述がある(ACGIH(7th, 2006))。
【參考データ等】
(2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽微な刺激性が認められたとの報告がある(食品安全委員會(2013))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(3)より、區(qū)分外とした。
【根拠データ】
(1)ウサギを用いた眼刺激性試験で角膜及び虹彩の炎癥は認められず、全てのウサギの結膜に眼脂、発赤及び腫脹が認められたものの2日後に回復したとの報告がある(EPA Pesticide(2001))。
(2)ウサギを用いた眼刺激性試験で刺激性は認められなかったとの報告がある(食品安全委員會(2013))。
(3)本物質は眼刺激性物質とはみなされないとの記述がある(ACGIH(7th, 2006))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
本物質は皮膚感作性がないことを示す情報(1)、(2)も得られているが、區(qū)分外を判斷できる十分な証拠が得られていないため、分類できないとした。
【參考データ等】
(1)モルモットを用いた皮膚感作性試験(Maximization試験)で本物質に皮膚感作性は見られなかったとの報告がある(食品安全委員會(2013)、EPA Pesticide(2001))。
(2)本物質は皮膚感作性物質とはみなされないとの記述がある(ACGIH(7th, 2006))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2)より、ガイダンスに従い分類できないとした。
【根拠データ】
(1)In vivoでは、マウスの優(yōu)性致死試験、マウス骨髄を用いた小核試験、染色體異常試験、及びラット肝細胞での不定期DNA合成試験で陰性との報告がある(ACGIH(7th, 2006)、食品安全委員會農薬評価書(2013))。
(2)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験、ヒト線維芽細胞を用いた不定期DNA合成試験、哺乳類培養(yǎng)細胞を用いた染色體異常試験、前進突然変異試験で陰性、ラット肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で陽性の結果であった(ACGIH(7th, 2006)、食品安全委員會農薬評価書(2013))。
発がん性
【分類根拠】
発がん性に関して、利用可能なヒトを対象とした報告はない。
(1)~(5)の実験動物での試験結果及び既存分類結果に基づき分類できないとした。
【根拠データ】
(1)ラットの2年間混餌投與(10, 20 ppm)による発がん性試験において、雌雄ともに対照群と比べて有意に高い腫瘍の発生はみられなかった(NTP TR103(1979)、ACGIH(7th, 2006))。
(2)マウスの2年間混餌投與(10, 20 ppm)による発がん性試験において、雌には対照群と比べて有意に高い腫瘍の発生はみられなかったが、雄では外皮系の非上皮性悪性腫瘍、線維肉腫、橫紋筋肉腫の発生率が有意に高かった(NTP TR103(1979)、ACGIH(7th, 2006))。
(3)(1)、(2)の結果について、US National Cancer Instituteは、本物質は雌雄ラット及び雌マウスに対し発がん性を示さないが、雄マウスに対する発がん性は不明確(equivocal)と結論付けている (NTP TR103(1979)、ACGIH(7th, 2006))。
(4)ラットの2年間混餌投與(0, 5, 20, 100 ppm)による慢性毒性/発がん性併合試験、又はマウスの2年間混餌投與(0, 0.1, 1, 5, 25 ppm)による発がん性試験において、ラット、マウスともに発がん性は認められなかった(ACGIH(7th, 2006)、食品安全委員會農薬評価書(2013))。
(5)國內外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4(ACGIH(7th, 2006))、EPAで1999年以降グループE(EPA OPP Annual Cancer Report(Accessed Jun. 2018))に分類されている。
生殖毒性
【分類根拠】
(1)より、ラットの2世代繁殖試験で親動物の一般毒性用量で受胎率の低下がみられていることから、區(qū)分2とした。
【根拠データ】
(1)ラットに混餌投與した2世代繁殖試験では100 ppm の投與により、F0及びF1母動物に體重増加抑制と受胎率の低下の所見が、またF1児動物には低體重の所見がみられた(食品安全委員會農薬評価書(2013)、農薬抄録(2010))。
【參考データ等】
(2)ラットに混餌投與した3世代繁殖試験では、高用量(75 ppm)投與によりF0雌雄親動物及びF1雄親動物に體重増加抑制がみられたが、各世代ともに親動物の生殖能及び児動物への影響はみられなかった(食品安全委員會農薬評価書(2013)、農薬抄録(2010))。
(3)妊娠6~15日のラットに強制経口投與した発生毒性試験では、18 mg/kg/dayの投與により母動物に體重増加抑制、流涎、流涙、振戦、自発運動抑制がみられたが、胎児に発生影響はみられていない(食品安全委員會農薬評価書(2013))。
(4)妊娠7~27日のウサギに強制経口投與した発生毒性試験では、18 mg/kg/dayの投與により母動物に死亡、流産、腹臥、呼吸困難、體重増加抑制など重篤な毒性影響が認められたが、胎児には軽微な影響としての低體重がみられただけであった(食品安全委員會農薬評価書(2013))。