急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分3 ラットのLD50値として、75 mg/kg (ATSDR (1989)、PATTY (6th, 2012))、105 mg/kg、150 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、區(qū)分3とした。
経皮
GHS分類: 區(qū)分3 ウサギのLD50値として、870 mg/kg (ATSDR (1989)) との報告に基づき、區(qū)分3とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 區(qū)分1 ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、20 ppm (CaPSAR (1993)) 及び330 mg/m3 (56.4 ppm) (ChemID (Access on January 2018)) との報告があり、いずれも區(qū)分1に該當する。また、LC50値ではないが、ラットの4時間吸入ばく露試験において致死のLOAELは區(qū)分2相當の250 ppmであり、約半數(shù)が死亡したとの報告がある (ATSDR (1989))。これらの情報から、件數(shù)が多く有害性の高い區(qū)分を採用して、區(qū)分1とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (2,046 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとして、ppmを単位とする基準値を適用した。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分2 ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、本物質10 mgの適用により皮膚刺激性が認められたとの記載が複數(shù)ある (ATSDR (1989)、BUA 21 (1987)) ことから、區(qū)分2とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分2B ウサギを用いた眼刺激性試験で、24時間以內(nèi)に回復する中等度の痛みや結膜の刺激、角膜傷害を生じたとの記載 (ACGIH (7th, 2001)) や、別のウサギを用いた試験で中等度の眼刺激性を示したとの記載 (ATSDR (1989)、PATTY (6th, 2012))、試験動物は不明だが中等度から強度の眼刺激性を示したとの記載 (BUA 21 (1987)) から、區(qū)分2Bとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない In vivoでは、ラット肝臓DNAとの結合試験で陰性 (IARC 71 (1999)、ATSDR (1989))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性である (ATSDR (1989)、EHC 201 (1998)、NTP DB (Access on September 2017))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
発がん性
GHS分類: 區(qū)分2 本物質とともに1,2-ジクロロエタン及びエチレンクロロヒドリンにばく露された作業(yè)者を対象とした2件の疫學研究のうち、1件では膵がん、リンパ及び造血系腫瘍の過剰が示唆されたが、他の1件では腫瘍の過剰は示されなかった (IARC 71 (1999))。実験動物では、2系統(tǒng)のマウスに生後7日から本物質100 mg/kg/dayを強制経口投與し、4週齢以降には300 ppmで18ヵ月間混餌投與した試験において、両系統(tǒng)ともに肝腫瘍 (ヘパトーマ) の発生頻度の増加が認められた (IARC 71 (1999)、IRIS (1987)、ACGIH (7th, 2001))。また、雌マウスに皮下投與した試験では低頻度であるが、投與部位局所に肉腫の発生がみられたとの報告がある (IARC 71 (1999)、IRIS (1987)、ACGIH (7th, 2001))。一方、ラットに最大50 mg/kg/dayを78週間強制経口投與し2年後に剖検した試験では腫瘍発生の増加は認められなかった (IARC 71 (1999)、IRIS (1987)、ACGIH (7th, 2001))。IARCは実験動物での発がん性は限定的であるとして、グループ3に分類した (IARC 71 (1999))。ACGIHもA4に分類した (ACGIH (7th, 2001): 1995年提案)。これらに対し、EPAはマウス2系統(tǒng)での陽性の結果、及び細菌における変異原性の証拠を基にB2に分類し (IRIS (1987))、EU は Carc. 2に分類している (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。 以上、國際機関による発がん分類結果からは區(qū)分2又は區(qū)分1B、あるいは分類できないとなるが、動物試験結果からは動物種1種のみでの良性腫瘍か悪性腫瘍か不明な腫瘍の発生増加であるため、動物実験での発がん性の限られた証拠があるとして、本項は區(qū)分2とするのが妥當と判斷した。
生殖毒性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 區(qū)分1 (呼吸器)、區(qū)分3 (麻酔作用) ヒトではボランティアに本物質の蒸気を短時間、吸入ばく露した試験で、550 ppm以上で眼と鼻の耐え難い刺激、咳、吐き気、悪心を生じたとの報告がある (ATSDR (1989)、CaPSAR (1993)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、産衛(wèi)學會許容濃度の提案理由書 (1967))。 また、詳細の記載はないが、高濃度では麻酔作用を発現(xiàn)するが、刺激作用が強いために麻酔作用は隠蔽されるとの記述がある (産衛(wèi)學會許容濃度の提案理由書 (1967))。実験動物では、モルモットの単回吸入ばく露試験で、35 ppm (0.2 mg/L) で鼻の刺激、100 ppm (0.59 mg/L) 以上で肺のうっ血、浮腫、出血が認められたとの報告 (ATSDR (1989))、500 ppm (2.93 mg/L) 、90分 (4時間換算値: 1.79 mg/L) の吸入ばく露で死亡し、主な死因は肺の損傷であったとの報告 (ACGIH (7th, 2001)) がある。実験動物での肺への影響がみられた用量は、區(qū)分1に相當する。また、モルモットの単回吸入ばく露試験で、100 ppm以上で數(shù)時間以內(nèi)に嗜眠と協(xié)調運動性低下が始まり、その後に意識喪失して死に至る場合もあったとの報告がある (ATSDR (1989))。以上より、區(qū)分1 (呼吸器)、區(qū)分3 (麻酔作用) とした。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 分類できない ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットあるいはモルモットを用いた蒸気による130日間吸入毒性試験 (93回ばく露、7時間/日、5日/週) において、區(qū)分2のガイダンス値の範囲內(nèi)である69 ppm (ガイダンス値換算: 0.47 mg/L) で、両動物種とも體重増加抑制のみがみられたとの報告があり、重篤な障害はなくストレスに対する軽度の身體的反応を反映した異常との記載がある (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989))。この試験は69 ppm (ガイダンス値換算: 0.47 mg/L) 単一濃度の試験であり、區(qū)分2のガイダンス値の範囲內(nèi) (0.2 mg/L < C ≤ 1.0 mg/L) であるが、上限よりも低濃度であることから上限付近での影響が不明である。したがって、データ不足のため分類できないとした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。